フィラリア予防|愛犬の命を守るために知っておきたい基礎知識と最新事情
こんにちは、元ペットショップスタッフのぬーです。
前回は狂犬病予防についてご紹介しましたが、同じそれ以上に大切な「フィラリア予防」について今回は掘り下げてお話しします。
飼い主さんから実際に多かった質問、動物病院で学んだこと、体験談も交えてお届けします。
フィラリアとは?
フィラリア(犬糸状虫)は、蚊が媒介する寄生虫で、犬の心臓や肺動脈に寄生します。
蚊に刺されることで幼虫(ミクロフィラリア)が体内に入り、約6か月かけて心臓に成虫が到達。血液の流れを妨げ、心不全や臓器障害を引き起こします。
💡 ミクロな話:フィラリアのライフサイクル
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フィラリア感染犬の血を蚊が吸う
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蚊の体内で幼虫が発育(約2週間)
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感染した蚊が別の犬を刺し、幼虫が体内へ
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犬の皮下・筋肉内で発育し、6か月で成虫に
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心臓・肺動脈に寄生
この長いサイクルが、継続的な予防の必要性の理由です。
フィラリアの怖さ
フィラリアが寄生すると次のような症状が現れます。
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咳、呼吸困難
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運動を嫌がる、疲れやすい
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腹水でお腹が膨れる
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最悪の場合、大静脈症候群(急性肺血栓塞栓症)による突然死
小話:予防しなかった大型犬の悲劇
動物病院勤務の知人が体験した話。予防をしていなかった大型犬が急に倒れ、心臓に多数のフィラリア成虫が…。手術も間に合わず助かりませんでした。「予防していれば助かった」そうなる前に予防が大切です。
昔は犬の死亡原因1位はフィラリアだった
1970〜80年代、日本の犬の死亡原因で最も多かったのがフィラリア症です。
予防薬が一般化した今、死亡例は減りましたが、言い方を変えると予防しなければ危険なのは変わりありません。また、温暖化で蚊の活動期間が長くなり、油断は禁物ですね。
フィラリアの予防方法と相場感
予防薬は「感染初期の幼虫を駆除する」もので、蚊に刺されるのを防ぐものではないため、蚊の発生に応じて定期的な投与が必要です。
✅ 月1回 飲み薬(錠剤・チュアブル)
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【特徴】おやつタイプで食べやすく、人気です。錠剤もあります。
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【相場】1回 1,000〜2,000円 前後/月
✅ 月1回 スポットオン(皮膚滴下)
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【特徴】飲み薬が苦手な子向け。首の後ろに垂らすタイプ。
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【相場】1回 1,500〜2,500円 前後/月
✅ 年1回 注射(持続型予防)
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【特徴】投薬忘れ防止に。動物病院で接種。
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【相場】10,000〜20,000円 前後/年(体重により変動)
✅ 投薬前の血液検査
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【特徴】感染していないことを確認してから予防を始めます。
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【相場】2,000〜4,000円 前後
豆知識:まとめ買いや健康診断セットでお得に
多くの動物病院では春に、健康診断+フィラリア検査+予防薬まとめセットのプランがあります。まとめ買いで1回分程度お得になることも。
専門的ポイント|予防期間の目安
地域によって蚊の活動期間が違うので注意!
地域 | 予防の目安期間 |
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北海道 | 6月〜10月末 |
東北・関東・中部 | 5月〜11月末 |
関西・四国・九州 | 4月〜12月頭 |
沖縄 | 4月〜12月末 |
※詳しくは地域の動物病院に確認を。
💡 小話:地域差の大きさにびっくり
北海道から関西に引っ越したとき、蚊の発生時期の長さに驚きました!「うちは去年と同じ時期でいいや」と思わず、毎年動物病院で確認するのがおすすめです。
まとめ|フィラリア予防で愛犬を守ろう
フィラリアは、予防さえすれば確実に防げる病気です。
「1回ぐらい忘れても大丈夫」と思わず、毎年の健康診断と一緒にしっかり予防!
「春=フィラリア予防スタート!」を合言葉にして、愛犬の健康を守っていきましょうね。
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